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劇団CANプロ稽古場日記

稽古風景や感想などをメンバー達が皆様にお届けします!
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対談 十周年記念オリジナル作品を書いた堂下祐子VS磐城春
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    進行係:本日は、劇団CANプロ10周年記念公演の第20回公演「傘をなくして〜RECEPTACLE〜」と第21回公演「弟帰る」の戯曲をお書きになったお二人に色々な話を聞きたいと思います。観て頂いた人には、どんな人が書いてるんだろうと気になっているかと思いますが、まずは自己紹介からよろしくお願いします。

    元山留美子:はい、20回公演「傘をなくして」を書きました。
    堂下祐子というペンネームで書いた、元山留美子です。

    岩元絵美:「弟帰る」を書かせていただきました、磐城春こと岩元絵美です。
    どうぞ、よろしくお願いします。

    進行:何から話していいかわからないと思いますが、まずは書くにあたっての経緯について教えてください。

    元山:はい、なんで書いたかっていうのは、この劇団の演出家から、劇団員に勉強として全員戯曲を書くようにということで、はじまったんだよね?

    岩元:はい。

    元山:それで、二人とも両極端な作品を偶然書くことになって。私が書いた「傘をなくして」ですけど、劇団がずっと家族ものが多くてそれは良い意味でもあるけど、少し、マンネリ化しているという声を聞いていたので、ちょうど10周年という節目でもあったし、いつもと違ったものを書きたいという思いが強くて、あとは自分が持ってる価値観というか、そういうものをひっくるめて書いたから凄く異色だったし、あえてそっちに持っていこうとして書いたっていうのはあるけど、絵美ちゃんは?

    岩元:まさか、本当に上演するとは思わないで書きはじめたので。

    元山:あ〜。まぁ、そうだよね。みんな。

    岩元:で、自分で何が書けるかな?って考えたときに、今まで家族ものが多くて、それなら書けるかなと思って書き始めたんですよね。特に、家族ものには私のお客様には定評があったので日常の何気ない、みんなが分かるようなことを書きたいなと思ってこういう題材にしました。

    元山:やっぱりその書きたいなっていうほうにちゃんと行くんだね。絵美ちゃんはちゃんと家族ものを書きたいと思って、私もちょっと異色なものを書きたいって考えたし、それを良い具合にしてくれたのはやっぱり演出ではあるけれども。でも最初に言われて、どのくらいで出来た? 与えられた期間って一ヶ月だったじゃない? 締切りが。

    岩元:あ〜、そうですね。うーん(苦笑)一番はじめにかいたときは最後までかけなかった。

    元山:じゃあ、提出するときには途中だったんだ?

    岩元::はい、途中で。後半はあらすじで・・・。

    元山:何場くらいまで書いたの?

    岩元::2場の最後で、後半は・・・あらすじで。

    元山:え? 二場?

    岩元:はい。なので、そのあとに続きを書けって言われて。(苦笑)

    元山:あ、じゃあ間に合わなかったけど、最後まで構想はあったと。

    岩元:はい、そうですね。

    元山:ふーん・・・二場・・・あそこか・・・そっか・・・。

    二人:(笑)

    元山:私、実は一ヶ月の間に2作品書いてて。

    岩元:凄い!

    元山:でも、一作目は銀河鉄道の夜みたいになってしまって。

    岩元:ちょっとファンタジーっぽい作品ですよね。

    元山:やっぱり、書いてて思ったのは、読んだりしたものの影響を受けて、そっちに行っちゃうんだなっていうのを、一作目書いたあとに反省して、これじゃダメだなと思ってもう一作書こうと。「傘をなくして」は最初は余計なものがいっぱい詰ってて、上演時間にして2時間半くらい。場も多かったし。そのくらいの量のものを二週間で書いて、一応提出したのね。

    岩元:すごい…。

    元山:でも、逆に無駄が多すぎたから、そのあとの直しの期間があったでしょ?

    岩元:はい。ありました。

    元山:それに半年くらいかかったかな。

    岩元:そうですね…。私も半年かかりましたよ。

    元山:私の中では成立してるんだけど、でも客観的にみた演出家には全く理解されないし。そこが凄く難しいと思った。楽しかったんだけどね。絵美ちゃんはそういう難しさはあった? 一人で作品を書き終えての難しさと言うか。

    岩元:そうですね。やっぱり私は全く戯曲を書くのが初めてで。

    元山:私もそうだよ。

    岩元:本当に書き方から教えて頂いたというか、まずは余計な言葉が多い。どうしても説明的になってしまって。

    元山:私もだった(笑)

    岩元:説明しないと不安になってしまって。なので余計な台詞がいっぱいあって、長台詞が多くて。

    元山:わかる。困ると長台詞にして、とりあえず説明させてくみたいな(笑)

    岩元:だからそういうところから全部書き直して、戯曲はこうやってやるんだよって聞きながら。でもやっぱり実際自分が書いてるときって、これ伝わらないんじゃないかなって思っていたことが、具体化されることですごくわかるなぁって、それは、今回客観的に見ていたので凄くわかりました。あの、具体化っていうのは実際役者がやるってことです。

    元山:私はそのとおりだったというか、おそらく一番最初に書いた印象とは違ってると思うんですけど、一緒に完成形を作ってた感じだから違和感はなくて・・・。
    その、だんだん抽象化されたものがさっき具体化されてきたって言ってたけど、出来上がったものに違和感が無くて、それが正解みたいな。

    岩元:あ〜、なんとなくわかりますそれ。私も演出家と一緒に書いて、自分が意図して書いていなかったけど、やっぱり演出がはいって役者がやるともっと深くなるじゃないですか。

    元山:ああ、それはあるね。いっぱいある。

    岩元:だから、見てて私こんなに深く考えてなかったっていうのがあったり。

    元山:うん、それある。逆にあった。

    岩元:もちろんキャスティングの段階で私の思ってたイメージと違ったりというのもあるんですけど、それはまた違うアプローチで、納得のいくものが見れたかなぁって。

    元山:書いてて自分が面白いと思って書く分と、役者が演じてやってる分とで、自分が面白いと思って書いてたところをお客さんがちゃんと拾ってくれた? 役者の力不足もあったと思うけど(笑)

    岩元:それは、結構拾ってくれてましたね。

    元山:そうだね。

    岩元:でも逆に自分が笑いとかなしで書いてたのが、うけてたりとか。

    元山:へ〜!

    岩元:やっぱりお客様の反応見ないと分からないですね。
    元山:でも意外だった。絵美ちゃんがあそこまで笑いに、ね(笑)
    岩元:ふふふ。

    元山:失礼な話だけど、凄いなって。ちゃんと書けてて。それはたぶん演出のそういうのもあるけど、でもそれを引き出すっていうのも書いてるわけだから。喜劇って演じるのも絶対難しいし、それを書くなんてのは、本当に凄いことだと思うし。だから作者が絵美ちゃんだってわかったときに、こういうのを書くんだなぁって思って。始まりがあって、終わりがあって、その中には物語があって、お客さんが感動して、それを完結させて書く、想像性があるんだなって、私はあらたな発見を(笑)

    岩元:ほんとですか(笑)私自身の好みの問題になってくるんですけど、王道が大好きなんです。笑いがあってハッピーエンドが良いな。映画とかもそういうのばかり観てた。

    元山:やっぱり好きなもの書くんだ。

    岩元:ははは。

    元山:あきらかに私と絵美ちゃんって、対照的というか。たぶん好みもかなり違うだろうし、求める世界観もたぶん違うと思うし・・・。私はちょっと変なものが好きなのね(笑)

    岩元:その逆に質問というか、私も「RECEPTACLE」を読んだときに誰が書いたかわからなかったんですけど、自分は絶対に書かないだろうなって。やっぱり色々時代背景、安保とか国家機密とか入ってきて、そういう発想というのはどこから出てくるのかなって。

    元山:元々はもっと突出した作品だったのね。私が本当の提出したのはもーっとずっと先の未来の地球。でも色々演出家と話しあって、書き直すことになったの。そしたらたまたま、安保の話になって。最初は何も知らなかったけど、とにかく起こしたときに日本人がすごく動いて、亡くなった方も居たりとか。

    岩元:じゃあ、ほとんど書き換えたってことですか。

    元山:そうだね。もっと現実味のある作品にしないとお客さんもわけわかんないし。でも、芯は変ってないから。ところで絵美ちゃん、出たいと思わなかったの? せっかく書いたのに。

    岩元:まぁ、ちょっと諸々の事情があってのことだったんですけど。出たいっていう気持ちはありました。

    元山:あ〜 そう! やっぱり(笑)じゃあ書いてる間に自分はなんの役って、ちょっと思った?

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    岩元:それ聞くんですか?

    元山:うん、今だから聞く。

    岩元:ん〜、今だからか・・・。まぁ、書いてるんで目線が女性観点から見ると、麻友(弟帰るの登場人物)からの視点で物語が進んでるから、そこで感情移入はしてましたね。

    元山:うんうん。ね、せっかく書いたのにって思って。

    岩元:でも傍から自分が書いた作品を見るのって、凄く面白くて。

    元山:そうなんだ。

    岩元:その反対に私なんかが書いた作品が面白いわけないじゃないっていう葛藤はありましたけど。だから初日のお客さんの反応みるまでは全然安心できなかったですね。

    元山:絵美ちゃんも稽古を見に来てたと思うけど。書いた本人と演じる人とでは見方が違うんだろうなって。

    岩元:そうですね。それはありますね。さっきもちょっと言いましたけど、だんだん深くなっていくっていうのが、見ていて面白くて。色々考えたと言うか。

    元山:通し稽古を重ねるたびに違うだろうし。

    岩元:反対にどうですか? 役者として出られて。

    元山:ん〜・・・でも、書く作業終わったら役者だから、って。でも捨てきれない思いというか、違和感というか。自分が書いたイメージと違う演出がついて悩んだけど、最初から最後までの流れに沿うことがやっぱりいいことだし、私がいくら一番最初に思ってたのをひきづったって、自分は満足してもお客さんは違うんだろうなって。

    岩元:へぇ〜。

    元山:あとは、この役は、こうなんだけどな。って。

    岩元:あぁ…。

    元山:でも、だんだん変わってきて。こっちのほうが本物じゃないかって。

    岩元:わかります。

    元山:それに私はびっくりした。そうやって変わってくんだなって。一人歩きと言うか、成長するんだ。いつまでも自分の凝り固まった趣味に作品をおいといちゃいけないんだな。歩き出して動き出して、形が出来始めたらもう、歩かせるしかないんだなと思ったね。でもそれは書かなきゃわからないもんね。

    岩元:そうですね。その部分は凄くありますね。間宮(傘をなくしての登場人物で元山が演じた役)自体はどうだったんですか?

    元山:ん〜・・・そうだね。

    岩元:最初に書いてたときのものと・・・。

    元山:でも間宮は変わらなかったね。元々私が書きたかったのは一個だけだったから、そこはずっと残ってた。何のぶれもなくというか・・・。だから、楽しかったし、難しかったなぁ・・・。今まで色々演じさせてもらったけど、絶対違うよね。自分が書いたものとは。あとは絵美ちゃんが書いたけど出なかったっていうのを聞いて、私もやりたいなって思った。それは凄く勉強になると思ったし。

    岩元:そうなんですよ。出てると舞台観れないじゃないですか。

    元山:そうなんだよね。

    岩元:やっぱり客席でみると全然違うし、音響とか照明が具体的に入ってきて、最初は凄く小さかったものが、色々な人の力が加わって、なんかすごく、ん〜・・・感動しましたね。

    元山:私も舞台やってて、リセプタクルの看板かかって、ゲネとかの明かりあわせしてるときに、なんかもう感動したね。たかが自分が書いたものが、みんな信じて疑うことなく、本気で全力でそれを作り上げるわけじゃない? だから、あーありがたいなって。凄く良い経験で。

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    進行係:質問なんですが、二人ともそんなに書き直しがあったんですか?
    元山:あのね、めっちゃ人数が少なかったの。最初、主要メンバーしか居なかったのね。後付したのが、香織、清掃員、警備員、で、最後の最後の締切りの一週間前にもう一人増やせって言われて。

    岩元:私も締切二週間前に二人増やせって言われて、その十日後に一人減らされた (笑)

    元山:やっぱり(笑)

    岩元:うんうん。

    元山:後付で最後の最後で書いたちょい役だったんだけど、それが作品のなかであんなに力を持つなんて。それは本当になめてかかっちゃいけないなって思った。

    岩元:私もはじめ六人だったんです(笑)

    元山:えー? 六人っていうと・・・。

    岩元:兄弟四人と栄子おばさんと瀬川だけだったんです。

    元山:ああ! そうなの?

    岩元:でも追加するときも、やっぱり出てきた意味をもたせなきゃいけないなっていうのが凄くあって、大変でしたけど。

    元山:そうだよね。いきなりただ出てこさせて、歩かせてもしょうがないしさ。

    岩元:はい。

    元山:意味を持たせて、物語をちゃんと作ってきたものを邪魔させないように動かすって凄く大変だよね。

    岩元:やっぱり役者をやってると、自分がやってる役って何か意味があって欲しいじゃないですか。

    元山:そうだね。

    岩元:だから、出てくるからには何か作ってあげたいなって。

    元山:そっか・・・。

    進行係:書いててわからなくなったシーンとかありますか?

    元山:全部だよね(笑)

    岩元:私は大元のストーリーが二転三転してしまったというか。もともと、明子と瀬川は普通にハッピーエンドで。ただ書いてるときもこのままハッピーエンドか別れさせたほうがいいか結末で悩んで、話の大元を作っておかないと軸がぶれるって言うか。なので、私は二転三転しちゃいました(笑)

    元山:私はね、不幸で終わらせたかったの。

    岩元:そうなんですか。

    元山:お客さんがそういう世界観が好きな人も居れば、理解できない人も居るし。嫌いとまでは行かないけど、わからないみたいな。でも私のそれを許してくれた、上演を決めてくれた演出家には凄く感謝してると言うか。色が強すぎると思うんだけど、それをよしとしてやってくれた環境って凄いなって。それが例えば外部で、こんな新人の本なんて使ってくれるところなんてないと思うんだけど、そのやらしてくれることが凄いなって思った。それを公に発表してくれること。

    岩元:でも実際観てみて、メッセージ性がすごく強いと思ったし、気迫みたいなものを凄く感じていて。それはきっと元山さんが持ってるものだし、そういう台本をかく想像力が本当に凄いなって。私は現実的な、自分が経験したことしかわからないけど。元山さんがお芝居をやっているときも凄い想像力だなと感じます。

    元山:でも、あれだよね。少し、というか。演出のよく言うお客さんの目で監督する人が居たからこそ、繋げたと思うのね。私が書くものはおそらくそういうのがなければ、ただ宙に浮いてるだけの作品であって、一歩間違えるとっていう言い方はおかしいけど、単なるそういうものをどうにか地上におろして形にしてくれたっていうのは凄く感じるし。
    あの、私遊びで物語書くのが好きだからずっと書いてて、求められても無いのに提出してさ。
    でもつき返されるんだけど(笑)

    岩元:ははは。

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    進行係:見てくださったお客様への思いと、あと、もし次回作を書くのであればどういうものを書きたいとかありますか。

    岩元:一つの作品をつくりあげて、それをまた見に来てくれるお客様がたくさんいて、本当にありがたいですよね。

    元山:お客さんが見に来てくれて完結するからね。凄い、人の力で出来るんだなって。でもそれは書かないと気づかないことだったというか、書いてわかったというか、それがご褒美だったな。で、次回作書きたいやつは・・・理解されないから当分採用されないだろうけどね(笑)でも書くんだろうなぁ。

    岩元:私は・・・がっつり泣かせられる話を書いてみたいな。

    元山:あー読みたいね! それ!

    岩元:あはは。難しいと思いますけどね。あとお客様が求めてくるものって個々にあると思うんですけど、笑ってストレス発散したい人も居れば、泣いて感情移入したい人もいるし、社会的な問題定義を共感したり考えたいとか。色々なニーズにあったものに挑戦してみたいなって。

    元山:偉いな、私何一つ考えてない。思いだけで。でも柔軟だなぁ、すごい!

    岩元:でも、それは理想だけでできるかどうかは別問題ですけど。私はお客様が求めてるものを書きたいなって。

    元山:でもそれが大事というか、むしろそれがないと駄目だよね。そっか・・・。

    進行:はい、今日はどうもありがとうございました!

    二人:ありがとうございました!

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